更新日時:2012.05.18 00:00
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【質問】①
メカニズムも非常に大切ですが、ポンプの計を5インチ→6インチ→7インチ(人力での限界がありますが)
という形で機材の高性能化を図ればもっと効率的に圧送できるのではないでしょうか?
(ご所属無回答)
【回答】
単位体積当たりのコンクリートで考えると、輸送管の径が大きくなると管の壁面に接する面積が小さくなる
ことから、管内圧力損失が小さくなりますので、圧送性の改善には有効となる可能性はあります。
しかし、7インチの配管と4インチの配管で施工性を比較すると、コンクリートで満たされたときの質量や、
打込み後に残る配管内のコンクリート量が約3倍になり、そのことを考えると、現段階では非現実的では
ないかと思われます。
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【質問】②
同径でも内部圧を軽減できる構造の研究も試みても良いと感じます(内部をテフロン加工やフッ素加工)。
(ご所属無回答)
【回答】
管内圧力損失の軽減効果と、輸送管の耐久性や製造コスト、管理の手間とのバランスの問題だと考えます。
本研究会ではおそらく取り組めないと考えます。
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【質問】③
圧送距離とスランプの関係が判断できない。
某官庁ではポンプ打設は基本スランプ8で設計するように指導している。
しかし、圧送距離が長くなると受注者側は変更を求めてくる。明確な資料はありますか?
(官庁)
【回答】
本研究会では、圧送におけるスランプの減少量は圧送距離が長くなると大きくなるが、コンクリートの
練混ぜ完了後からの経過時間による影響が大きく、同じ圧送距離でも練混ぜ開始からの時間が長い
コンクリートを圧送するほど、スランプの減少量が大きくなる結果を得ています。
なお、スランプ8cmで圧送する(圧送できる)ことを前提として設計される場合、発注するコンクリートの
目標スランプを12cmとしなければ施工できないと思われます。
一般に、設計するコンクリートのスランプと発注するコンクリートの目標スランプが同じ値となっていると
思いますので、その値を8cmとするならば、スランプ5.5cmのコンクリートでも圧送できることを示さない限り、
受注者が変更を求めるのは普通ではないかと思われます。
【参考文献】:
高橋ほか:フレッシュコンクリートの性能とポンプ圧送性の評価に関する研究
その3.フレッシュコンクリートの試験結果(1),
日本建築学会大会学術講演梗概集,A-1分冊,pp.541~542,2007.9
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【質問】④
土木学会の指針の改定の中で、スランプの圧送による加算を考慮することを説明されていたが、
発注者として工事の加算を考慮すべきでしょうか?
(官庁)
【回答】
当然のことながら、圧送におけるスランプの減少量、製造や運搬におけるフレッシュコンクリートの
(スランプの)ばらつきを考慮したうえで設計を行わなければならないと考えます。考えないことが、
スランプの上限値発注や最悪の場合加水の問題に発展し、単位セメント量が一定のまま単位水量
だけが大きくなることによってコンクリートの品質を悪くすることにつながると思われます。
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【質問】⑤
報告6.4まとめ 下から6行目の根拠が不明です。写真6.12を見ると(b)~(d)において構造体の下部に
明らかに材料分離が見られます。
また下から2行目ですが吊打ちで落下速度を制御したら、余計材料分離が大きくなると思います。
この結論への考え方をお教えください。
(大学)
【回答】
吊打ちと寝かし打ちを比較すると、どのような吊打ちの方法としたところで筒先を出るコンクリートの落下速度は
大きくなります。
したがって、吊打ちを行うことによって、垂直材下部における材料分離は寝かし打ちよりも大きくなると考えます。
しかし、本実験では型枠のたたきをあえて行わずにコンクリートを打込み、状況を比較することとしました。
その結果、吊打ちをした部材のすべてで材料分離による豆板を確認しましたが、ライトウェイトホースやS字管を
用いると、その発生量が少なく、発生箇所も表層に限られていたことから、欠陥は抑制されると考えます。
実際に施工するならば、施工者には留意点をマニュアルなどによって明確にすることが重要であると考えています。
なお、「吊打ちで落下速度を制御したら、余計材料分離が大きくなる」はその逆ではないかと考えていましたので、
今後機会があれば確認いたします。
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【質問】⑥
今回はコアを採取して構造体の品質を評価していますが、本質的には中性化や腐食などの耐久性のほうが
問題ではないでしょうか?
どのように考えているのかお教えください。
(大学)
【回答】
ご質問のとおり、圧縮強度以外に中性化深さや鉄筋腐食も問題となる事項であると考えます。
中性化深さにつきましては、現在試験を実施する予定としております。
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【質問】⑦
本来、吊打ちの大きな問題は骨材の先走りです。これは今までいろいろな委員会で議論しております。
作業員さんのご苦労を考えると何らかを考えなければなりません。
吊打ちだけでない解決方法があるかも知れないと思っています。以前は敷モルタルがあったので
構造体への問題になりにくかったかもしれませんが、今では建築基準法上で問題になります。
(大学)
【回答】
WGでも、吊打ちは問題解決のためのひとつの手段に過ぎないと認識しています。
良い方法をお教えいただけると幸いです。なお、建築工事で敷モルタルを施工していたのは相当昔で
あると思います(経験上、少なくとも30年以上前)。
また、敷モルタルによって骨材の先走りを防ぐことができたとは考えにくいと思います。
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【質問】⑧
今後、現場等からの要望から近圧協としてフレキ、S字管、ライトウェイトホース等を使い分けに向けて
動いていくのでしょうか?
(圧送)
【回答】
今回の実験だけで、いきなり動くのは危険であると判断しています。
フレキシブルホースは無理としても、今後は先端形状を工夫した輸送管を用いることによって施工状況が
改善されるように、これまでのデータの再度の検討、不足データの補完、パイロット工事、マニュアルの
作成等を進めたうえで、使えると判断したものについて関係者の承諾が得て進めていく所存です。
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【質問】⑨
報告5、脈動の影響についてはどう考えれば良いでしょうか?
ベント管、テーパ管の前後の不安定な圧力損失は非定常(脈動)の影響が大きいのではないでしょうか?
大変難しいとは思いますが。
(大学)
【回答】
管内圧力の動的な変動が、管内圧力損失に及ぼす影響がどの程度あるのか、測定方法を含めて把握する
ことは非常に難しいと思われ、当研究会内ではおそらく解決できない問題であると考えます。
ご教授いただけると幸いです。