住宅部会|住宅部会
住まいの空間を文学から読む/高木彬(25.10.30)

場所の質感や空間の感じ方の微細な変化を描く力をもつ文学。物語の背景として見過ごされがちな都市や建築空間の表象に目を向け、丁寧に読み解いていくことは、日々の読書体験をより豊かなものにするだけでなく、「住まい」に対する新たな視点をもたらすきっかけにもなるのではないでしょうか
今回の住宅部会セミナーでは、文学作品に描かれた都市・建築空間について考察を続けてこられた、龍谷大学文学部講師の高木彬氏をお迎えし、〈Home〉と呼ばれる場所やその変化・喪失の感覚を濃密に描いてきた文学──谷崎潤一郎の隠れ家、吉本ばななのキッチン、大竹昭子の架空の間取り、稲垣足穂の動く家、村上春樹の空っぽの家──から、「住まい」という私的な空間について見つめ直すきっかけにしたいと思います。
「かれは思考と夢とによって、現実の家と可能性の家をいきるのである」(バシュラール)
【講師】
●高木 彬 さん(龍谷大学文学部 講師)
2012年京都工芸繊維大学大学院修了。博士(学術)。都市や建築空間の表象が濃密に描き込まれている文学作品を読むことは、現代の私たちが経験している日常の空間を見つめ直すためのヒントになるとの考えから、「文学において都市や建築空間がどのように表現されているのか」ということを主なテーマとして研究を行う。
著作に『現代の皮膚感覚をさぐる―言葉、表象、身体』(共著/春風社 2023)、『一九二〇年代モダニズム詩集―稲垣足穂と竹中郁その周辺』(共編著/思潮社 2022)、『建築の近代文学誌:外地と内地の西洋表象』(共著/勉誠社 2018)など。
【概要】
●日時:2025年10月30日(木)17:00~19:00 (開場 16:30)
●会場:同志社女子大学(今出川キャンパス) ジェームズ館2階・J207(京都市上京区玄武町636)
●参加費:無料(要申込・定員40名)
※申し込みはこちらから※
●主催:日本建築学会近畿支部住宅部会
●共催・企画:京都大学前田昌弘研究室、同志社女子大学塚田由佳里研究室、京都大学柳沢究研究室